宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

82歳になる祖母ですが、最近両足の膝から下にむくみが目立つようになりました。ひどい時は靴を履くのも難しいほどです。年齢的に少し足腰は弱っていますが、比較的元気です。

A.

 下肢の浮腫(むくみ)の場合、まず両側なのか片方の下肢のみの浮腫なのかで原因が異なります。片方の下肢のみの場合は深部静脈血栓や蜂窩織炎など、その足そのものに原因があることがほとんどです。一方、両下肢の浮腫の場合、心不全、腎不全、肝硬変、貧血、甲状腺機能低下症など全身性の疾患が原因である場合があります。

 そのほか静脈還流障害でも浮腫がおこります。静脈内には所々に弁があり血液が心臓の方向にのみ流れるようになっていますが、長時間の立位や座位などのため、静脈内に血液が停滞した状態が持続すると、この弁の機能も低下し、ますます静脈の血液の流れが悪くなり、静脈内の血液中の水分が静脈外に漏出して浮腫を起こします。この状態が静脈還流障害です。

 ご質問のおばあさまの足のむくみは、この静脈還流障害の可能性が高いと思われます。日中ずっと椅子に座って過ごされていませんか?就寝時に座布団などで少し足を高くしてみてください。日中も10分程度、足を高くして横になる時間を作りましょう。高齢者では潜在的に心機能や腎機能が低下していることがありますので、一度病院で詳しい検査を受けられることをお勧めします。

( サンデーワイド掲載)

あさひクリニック院長
大塚 祥司先生
あさひクリニック大塚先生

■プロフィル

これまで九州大学病院、国立福岡東医療センター、済生会八幡総合病院、JR九州病院循環器内科などで勤務

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