宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

家族にいびきが大きいことや眠っているときに息が止まっていることを心配されますが、どうすればいいですか?(60歳男性)

A.

 睡眠中に何度も息が止まったり、浅くなったりして低酸素状態になってしまう睡眠時無呼吸症候群という病気があります。睡眠中に息が止まると眠りの質が悪化し、日中の眠気や体の怠さなどの症状を引き起こし、日常生活に悪影響を及ぼします。また、低酸素状態になることで心臓や脳、血管に負担をかけ、脳卒中(脳出血や脳梗塞)、心筋梗塞、不整脈など様々な病気のリスクを高めてしまいます。その他、高血圧や糖尿病、うつ病への影響や交通事故の発生率の増加なども報告されています。
 睡眠時無呼吸は肥満の方に多い傾向はありますが、顎の骨格やのどの奥の形によっては空気の通りが悪くなり、瘦せ型の方でも睡眠時の無呼吸が問題になる方は多くいます。特に日本人は顎が小さい方が多く、欧米人に比べ睡眠時無呼吸になりやすいと言われています。
 機械をレンタルし、寝る前に指先や鼻にセンサーをつけて眠ることにより自宅で睡眠時無呼吸の簡易検査を行うことができます。検j査の結果で重症の睡眠時無呼吸症候群となる場合の治療にはCPAP療法というものがあります。CPAP療法は寝る前に空気を気道にに送るマスクを装着することで気道を開存させ、多くの症例で無呼吸の負担を減らすことができます。
 睡眠時無呼吸症候群は心臓血管疾患にも影響する疾患であり、いびきや無呼吸を指摘される方、目覚めがすっきりしない、日中の眠気が強い、起床時に頭痛などの症状があるかたは一度簡易無呼吸検査をお勧めしています。

(2023年7月7日 サンデーうべ・ワイド掲載)

長沢病院
長澤 仁明先生

■プロフィル

下関西高等学校卒業/福岡大学医学部医学科卒業
[専門]循環器内科
[資格]日本循環器学会専門医/日本内科学会認定内科医

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