宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

よく眠れなくて困っています。治療したほうがよいでしょうか?

A.

不眠症は、入眠障害(寝つきが悪い)、中途覚醒(眠りが浅く、何度も夜中に目が覚める)、早朝覚醒(明け方に目が覚めて、二度寝が出来ない)などの睡眠障害があり、そのために日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲不振などの不調が出現する病気です。
不眠はだれでも経験しうる症状ですが、自然に改善して眠れるようになる場合がほとんどです。ただ、いったん慢性不眠に陥ると、適切な治療を受けないと回復しづらいといわれています。
不眠の原因は様々ですが、ストレス、こころや体の病気、薬の副作用などがあり、原因に応じた対処が必要です。うつ病や統合失調症などの精神疾患も、初期症状は不眠であることもあり、不眠が続く場合は一度精神科・心療内科で相談されたほうがいいと思います。また心臓病(息苦しさ)や前立腺肥大(頻尿)、アレルギー疾患(かゆみ)など様々なからだの病気で不眠となることもあり、この場合は背景にある病気の治療が必要です。
不眠の治療には生活習慣の改善が不可欠ですが、外来での不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬には「一度使い始めると手放せなくなる」「次第に量が増える」といったイメージを持たれているかた多くおられますが、怖い薬ではありません。依存症や認知機能障害への影響が少ない睡眠薬を開発されており、医師の指導の下に適切に使用することで、質のよい睡眠を取り戻すことが出来ます。

(2023年8月26日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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