宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

先日の健診で「腎嚢胞」を指摘されました。特に症状はありませんが、どんな病気で、どうしたらよいですか?(54歳、男性)

A.

嚢胞(のうほう)とは、薄い皮膜の中に液体を満たす袋状の状態をいいます。腎臓にできるものを「腎嚢胞」といい、内は尿や血清に近いほぼ透明な液の場合がほとんどです。腎臓に嚢胞を認める疾患は、いろいろあり複雑雑多です。孤発性に腎臓に嚢胞ができる「腎嚢胞」と、肝臓や膵臓など他にも嚢胞が多発する「嚢胞腎」という遺伝性の全身疾患に分かれます。今回は、よくある(多発性もありますが)孤発性の「単純性腎嚢胞」としてお答えします。
通常、「腎嚢胞」は片側あるいは両側に1~数個でき、50歳前後から多く、年齢とともに数と大きさは増しますが進行は緩徐です。遺伝性はなく、問題がなければ超音波エコー検査、CT、MRIなどで経過観察をします。しかし、「傍腎盂嚢胞」などで嚢胞が腎臓の内側にある場合、大きくなり尿の通貨障害をおこすと処置がいります。ただし、中には「嚢胞状の腎臓癌」があり、注意が必要です。内に隔壁のある「多房性腎嚢胞」は、最近では亜分類も複雑となり腎臓癌との鑑別が難しく、嚢胞壁隔壁が厚く不整で、石灰化や多房性、血性の液などを認めれば癌が疑われます。まずは、専門である泌尿器科の受診をお勧めします。

(2024年4月13日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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