宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

50歳の男性です。5月8日移行、新型コロナ感染症が5類感染症に引き下げられています。以前は山口県内での感染者数が全国的にみて、どれぐらいか分かりやすかったので、今はどうなっているのか気になります。又、今年は6月に入っても、インフルエンザの流行が収束しておらず、なぜいつまでも流行が続くのか気掛かりです。

A.

新型コロナウイルスの「5類」移行後、厚生労働省は全国およそ5000の医療機関からの週1回の報告をもとにした定点把握で流行状況を把握しています。
 それによりますと一つの医療機関あたりの平均の患者数推移は以下のように増加が続いています。
 ▽5月14日までの1週間…2.63人
 ▽5月21日までの1週間…3.55人
 ▽5月28日までの1週間…3.63人
 ▽6月4日までの1週間…4.55人
 現在は更に増加していると考えられており、定点把握の数字では微増となっていますが、医療現場からは患者が増加しているという実感が寄せられています。5類に移行したこともあって症状があっても受診せず検査に至らない人が増えているおそれがあり、感染状況は過小評価になっている可能性もあります。6月14日には尾身茂氏も「第9波の入り口に入ったのでは」と発言しています。過去2年、日本では夏場に感染力の強い変異ウイルスで大きな流行が起きました。今年は今のところ、さらに新しい変異ウイルスの広がりは確認されていないが、動向を注意深く見ておく必要があるでしょう。インフルエンザに関しては確かにコロナ禍前にはこれほど流行は長引かなかったと思います。原因は過去2シーズン、インフルエンザの流行が消失していたため、日本人の対インフル免疫が手薄になっている事が考えられます。10月まではインフルエンザワクチンも接種できません。基本的な感染対策を疎かにする事なく、TPOをわきまえて行動すべきでしょう。

(2023年7月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

金沢守クリニック院長
金沢 守先生
金沢守クリニック金沢先生

■プロフィル

平成2年:山口大学医学部卒業
山口大学医学部附属病院、宇部記念病院、阿知須同仁病院などを経て平成23年9月7日「金沢守クリニック」を開業

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