宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

検診で緑内障の疑いがあると診断されました。緑内障とはどのような病気でしょうか?(52歳、男性)

A.

緑内障は失明の原因として我が国では第1位で、世界でも第2位です。緑内障は頻度の高い疾患で、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障と推定されています。しかし緑内障は自覚なく進行することが多く、緑内障患者の9割の方が、自分は緑内障であると気がついていません。緑内障は早期発見、早期治療が大切な疾患です。

緑内障は簡単に言えば、「眼の圧力が高いなどの理由で、眼底の神経(視神経)が徐々に萎縮して、視野欠損を生じる」病気です。しかし初期には視野欠損などの自覚症状は乏しく、視野欠損がすでに生じている場合でも、精密な視野検査などを行わなければ異常を検出することが出来ません。一度、自覚されるような視野異常が生じれば、治療を行っても失われた視野を回復することは出来ません。また、眼圧が高くない方でも緑内障になりますので、緑内障があるかどうかを確認するためには眼底検査や光干渉断層計などによる網膜神経の解析が必須です。

特に注意が必要な方は⑴両親や兄弟に緑内障の方がいる、⑵眼圧が高い、⑶高齢の方、⑷強い近視の方、⑸ステロイド剤の投与中の方、⑹アトピー性皮膚炎の方、です。40歳を過ぎたら定期的に眼科の検診を受けることが勧められています。緑内障の説明や、視野の簡易自己チェックをするための冊子等もありますので、眼科でご相談ください。

(2023年4月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

くまがい眼科院長
熊谷 直樹先生
くまがい眼科熊谷先生

■プロフィル

横浜市立大学医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など

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