宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

白内障で点眼加療中です。徐々に見えにくくなり、眼科医院で「白内障がかなり進行してるので、そろそろ手術をおこなった方が良い」と言われています。白内障が著しく進行するとどういう問題があるのでしょうか?(66歳、女性)

A.

 白内障が軽度の場合には、見えにくくなる以外には他の病が生じる、手術が困難になる、などの問題はありません。しかし、とても進行した場合には、白内障が原因となって緑内障やぶどう膜炎などの眼痛を伴う別の病気が急に生じることがあります。また、白内障の濁りで眼底の透見が困難になり、眼底に病気が発生しても確認ができなくなる可能性があります。
 また、白内障手術を実施する際にも、白内障が著しく進行すると水晶体核がとても硬くなってしまい、手術機械での水晶体の吸引・除去が困難になる、水晶体皮質が溶けてきて水晶体を包む袋(水晶体のう)を切開する手技が実施困難になる、などの理由により手術時間が短くなったり、複数回の手術が必要になったりする可能性があります。
 このように白内障がとても進行してしまうと、他の病気の発症、眼底疾患の発見困難、手術の危険性の増加などの問題がありますので、早期の手術をお勧めします。

(2022年7月23日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

くまがい眼科院長
熊谷 直樹先生
くまがい眼科熊谷先生

■プロフィル

横浜市立大学医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など

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