宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

認知症の予防がありますか。(60歳女性)

A.

 主な認知症にはアルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあります。
 認知症には、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など原因が取り除けることもあります。最も多いACの原因はタウタンパクやアミロイドβの蓄積が原因と考えられています。脳血管性認知症は脳国測や脳出血などによるもので、高血圧や糖尿病などの動脈硬化が原因となります。
 予防には運動は生活習慣からの認知症のリスクを下げ、脳を含めた全身の血行を改善することが期待されます。歩くことで動脈硬化や循環器、筋力低下による転倒を防ぐ効果があります。1日30分程度を週3~4回以上行うことがよいとされています。社会的に人とのコミュニケーションも大事で、脳を刺激し生活を豊かにしてくれます。楽器の演奏、料理、手芸などの手作業も体の一部を使う活動を通して脳を活性化でき効果的です。ストレスもリスクと考えられ、水泳、ウォーキングや軽いジョギングなどがセロトニンを増やすことで、改善に効果が期待されます。囲碁や将棋も有用で、文字を書いたり、簡単な計算問題を解いたり、折り紙、塗り絵などもデイサービスではよくされています。肥満もリスクになり減量が必要です。難聴も補聴器などの適切な使用が必要です。
 脳損傷の予防のため、転倒や外傷を避けることも必要です。歯周病も対策が必要で、歯も良く管理するとよいでしょう。食事や嗜好品ではアルコールや喫煙は適度にしましょう。最近、アルコールは少量でも脳委縮が進むという研究が出ています。糖質や塩分に気を付け、バランスよく食事して、ポリフェノールの多い緑茶、赤ワイン、カロテノイドの多い人参、オレンジ、EPAの多い青魚、その他オリーブオイル、玉ネギ、にんにく、全粒穀物、ナッツなども大事です。また少量の牛肉、鶏肉や魚などのたんぱく質や様々な栄養素を適切な量で良くとる。以上のことが大事になると思われます。

(2023年4月7日 サンデーうべ・ワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生
吉中内科医院 吉中院長

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

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