宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

自分の性格を変えたいです。精神科に受診すれば変わりますか?

A.

 性格そのものを、精神科受診、つまり薬物療法や精神療法によって変える、ということは非常に難しいです。性格はその人が持つ生物的な要因、環境的な要因が複雑に絡み合って形成されるものであり、短期間にそれを変えることはできません。
ただ、自分では性格の問題であると思っていたことが、実は精神科の病気であったというケースはあり、この場合は治療により改善する場合があります。
 例えば、社交不安障害という病気では、人前で話をするときに顔が真っ赤になる、声が出なくなってどもる、胸がどきどきして発汗する、といった症状がでます。これを「自分はシャイな性格だから仕方ない」と考え、不安を抱えながら生活している人が多くいますが、薬物療法や精神療法を行うことにより改善が期待できます。
 またネガティブな思考パターンが慢性的に続きながらもうつ病といえるほど症状が重くなく、日常生活とは何とか行えることが多い、気分変調症という病気があります。この病気の患者さんの中には、「自分は暗い性格でだめなやつだ」と医療機関を受診せず、適切な治療につながらないかたがおられます。
 冒頭にも書きましたが、性格を変えること自体は困難ですが、性格だと思っていることでも生活に支障をきたしている事柄があれば、受診、相談をしてみてください。治療につながって、暮らしやすくなる可能性があります。

(2023年4月22日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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