宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

非結核性抗酸菌症と診断されてエタンブトールという飲み薬を内科で処方されました。
眼科に定期的に受診するように指示されましたが、どのくらいの頻度で受診したら良いのでしょうか。(56歳、女性)

A.

 エタンブトールは結核や非結核性抗酸菌症という主に肺に起こる感染症に対して投与される薬剤です。エタンブトールは大切な薬剤ですが、まれに視神経障害を生じることがあります。エタンブトールによる視神経障害は早期に発見して薬剤投与を中止すると徐々に改善しますが、飲み薬を続けると視力障害が残ることがあります。そのため、エタンブトール投与を受けている方は眼科での定期的な検査が必要です。
 眼科への受診間隔について、これまで定まった考えはありませんでしたが、この度、日本結核・非結核性抗酸菌症学会、日本眼科学会、日本神経眼科学会からの提言がなされました。これによれば、エタンブトール投与中は「自覚症状がなければ1~3か月ごと、自身で毎日自己評価できる患者は3か月に一度、眼科で定期的に評価を受けることが早期発見に重要である。」とされています。自己評価方法は「裸眼もしくは常用眼鏡を用いて、毎朝、片眼ずつ、一定の距離で新聞・雑誌・コンピューター・スマートフォンなどの文字を読み、前日に比べて見にくくなっていないかを確認する。」です。
 従って自覚症状が無い場合でも、毎日の自己評価が出来る方は3か月に一度、出来ない方は1~3か月に一度は眼科を受診し、経過観察する事が望まれます。

(2022年3月12日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

くまがい眼科院長
熊谷 直樹先生
くまがい眼科熊谷先生

■プロフィル

横浜市立大学医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など

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