宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

母親の認知症がすすみ、だんだんとコミュニケーションを取るのが難しくなってきました。良かれと思ってかかわると興奮して怒られることもあり悩んでいます。なにか良い方法はないでしょうか?(50歳代、女性)

A.

認知症の対応はケースごとに異なっていて一概にはいえませんが、認知症患者のケア方法をある程度体系的にまとめた方法として、「ユマニチュード」という方法があります。数年前から日本でも注目されている方法で、提唱したフランスの専門家が認知症患者と接するとき、うまくいくときといかないときには「見る方法」「話す方法」「触れる方法」が違っていることに気がつきました。さらに、人は「立つ」ことによって、生理学的な効果のみならず、その人らしさ、つまりその尊厳が保たれることから、この4つの要素「見る」「話す」「触れる」「立つ」を「ケアの4つの柱」と名付けました。そして、ケアを一つの物語のように一連の手順で完成させる「ケアの5つのステップ」で構成するケア・コミュニケーション技法を編み出しました。
これらを完璧に習得する必要はなく、ごく一部のアイコンタクトの方法や「お母様に触れる」方法を考えるだけで大きく変わると思います。書籍も出ています。詳細は「ユマニチュード」でインターネット検索してみてください。

(2022年9月24日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

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