宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

甲状腺が腫れているのでは(26歳女性)

A.

甲状腺は首の前側にある蝶のような形をした臓器です。甲状腺ホルモンを分泌し、体温調節、心臓の働き、エネルギー代謝など、全身の機能をコントロールしています。健康診断や診察で首の腫れを指摘されることもあります。
その原因はさまざまで、橋本病(慢性甲状腺炎)、バセドウ病、甲状腺のう胞、良性の結節(しこり)、甲状腺腺腫などがあります。その一部には甲状腺がんや悪性リンパ腫の場合もあるため、適切な検査が重要です。
症状は原因や大きさによって異なります。首の腫れや違和感、圧迫感、飲み込みにくさ、声のかすれ(嗄声)なども見られます。また自覚症状が全く無くエコー検査で見つかることもあります。甲状腺ホルモンが過剰になると、動悸、発汗、手の震え、体重減少、疲れやすさなどがみられます。ホルモンが不足すると、むくみ、寒がり、便秘、体重増加、だるさなどの症状が現れることがあります。
認知症症状の場合一度は測定したほうがいいといわれています。
診断には血液検査と甲状腺エコー検査が重要です。血液検査では甲状腺ホルモンおよび刺激ホルモン(FT3、FT4、TSH)や自己抗体を調べます。超音波検査では甲状腺の大きさやしこりの有無、性状を確認します。必要に応じてCT検査や、公的病院などで細い針で穿刺して採取する細胞診検査を行うこともあります。
治療は原因によって異なります。異常が軽く症状がない場合は、定期的な経過観察のみで良いこともあります。甲状腺がんは他のがんに比べて悪性度が低く、一般的に10㎜以上になると細胞をとる事が多いようです。
一方で、ホルモン異常に対するメルカゾールやチラージンなどの薬物療法、時には手術が必要となることもあります。
首の腫れや違和感に気付いた場合は、自己判断せず医師に相談し、必要な検査を受けることが大切です。早期に診断することで適切な治療や経過観察につなげることができます。

(2026年7月3日 サンデーうべ・ワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

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