宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

以前は自分の健康問題に関してGoogleを利用していろいろな調べ物をしていましたが、最近は(生成AIの)ChatGPTを使って調べるようにしています。友人から「間違った回答をすることがあるので避けた方が良い」とアドバイスされましたがどうなのでしょうか?(60歳代、女性)

A.

たしかに、生成系AI(ChatGPTなど)は間違った回答を返すことがあります。ただし、技術の進化により医学的な情報の正確性も向上しており、便利なツールとして活用できる場面が増えています。一方で、使用にあたっては以下の点に注意すると安心です。
①生成系AIは補助的に利用する
AIは検索ツールの一つとして活用し、同じ質問を表現を変えて何度か尋ねることで、多角的な情報を得られることがあります。ただし、AIの回答だけに依存せず、得られた情報を信頼できる医療情報サイトや他の検索ツールで確認することをお勧めします。
②質問の工夫
正確な回答を引き出すには、具体的かつ明確な質問が有効です。たとえば「肩が痛い」はなく、「1週間前から右肩を動かすとズキズキした痛みがある」といった具体的な状況を伝えることで、より的確な情報が得られる可能性があります。
③プライバシー設定の確認
ChatGPTなどを利用する際は、提供した情報が転用されないようプライバシー設定を確認してください。たとえば、ChatGPTの設定メニューで「データ共有を無効化」することで、会話内容が他の目的に利用されることを防ぐことができます。
生成系AIは非常に便利なツールですが、利用者自身が情報を適切に精査する姿勢が求められます。これらのポイントを踏まえ、安全に活用しながら健康管理に役立ててください。

(2024年12月28日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

1998年 山口大学医学部卒業
医学博士
日本専門医機構認定総合診療専門医・指導医
日本プライマリケア連合学会認定医・指導医
同大附属病院総合診療部を経て、2014年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

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