宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

サラサラの透明な鼻水が2週間以上続き、病院を受診しアレルギーの血液検査をしましたが全て陰性でした。何の鼻炎なんでしょうか?(20歳女性)

A.

鼻炎には感冒に伴う急性鼻炎やアレルギー性鼻炎、その他の非アレルギー性鼻炎があります。感冒に伴う感染性の鼻炎、いわゆる鼻風邪では、はじめサラサラの透明な鼻水が出ていますが、だんだんネバネバの色のついた鼻水に変化してきます。質問をされた方のように同じ症状のサラサラ透明の鼻水が続く場合、まず疑われるのがアレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎の診断は、くしゃみ・水性鼻漏(サラサラの透明な鼻水)・鼻閉(鼻づまり)の3主徴があり、血清中抗原特異的IgE検査(アレルギー血液検査)の結果を参考に病歴があてはまれば可能になります。
血液検査上陰性の場合、非アレルギー性鼻炎である血管運動性鼻炎の可能性もありますが、もう一つの疾患の可能性もあります。それが局所アレルギー性鼻炎です。これは皮膚テストや血清特徴的IgE検査が陰性でも、鼻粘膜局所でIgEが産生され、局所的にアレルギー性鼻炎の症状を呈する疾患です。そのため鼻粘膜局所の所見は、アレルギー性鼻炎と同様で症状の発現の仕方も同じです。そのため従来はアレルギー検査が陰性なので、アレルギー性鼻炎ではないですよと言われていた人の中に、この疾患が含まれている可能性があります。どのような原因で症状が出て、どのような状況で症状が悪化しているか確認し、鼻内所見もみて判断する必要があります。

(2025年2月7日 サンデーうべ・ワイド掲載)

田原耳鼻咽喉科医院
田原 哲也先生
田原耳鼻咽喉科医院田原先生

■プロフィル

平成元年/山口大学医学部医学科卒業、平成6年/山口大学大学院医学研究科修了、医学博士/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医/日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医

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