宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

12月中旬に頭痛とめまい症状で病院受診したところ「脱水症」と言われました。冬でも脱水になるのでしょうか。(75歳、男性)

A.

冬は空気が乾燥し、さらに室内では暖房器具を使用することで湿度が下がります。乾燥した環境にいると自覚がないまま皮膚や粘膜、あるいは呼気から水分が失われる「不感蒸泄」が増えます。さらに、気温が低い環境はのどの渇きも感じにくいため、水分摂取不足になりやすく、脱水を引きおこしやすくなります。
「水分摂取」というと、夏の熱中症予防をイメージする方も多いと思います。夏は意識的に水分を摂っている方も、冬は「汗をかかないから」と不足しやすくなります。
人間の体の約60%は水分です。例えば体重60kgの成人男性の場合、約36kgは水分です。水分の1%を失うとのどの渇きを感じ、5%を失うと脱水症状が現れると言われています。初めはのどが渇く、尿量が減る、肌や口の中が乾燥する、さらに脱水が進むと頭痛、めまい、吐き気を来すようになります。
冬の時期に流行する風邪、インフルエンザの原因のウイルスは乾燥した状態で活発に活動します。水分摂取によってのど・鼻の粘膜が潤うと、ウイルスの侵入を防ぎ、侵入したウイルスを痰や鼻水によって体外に排出する作用を助けます。つまり水分摂取を心がけ、のどや粘膜の乾燥を防ぐことは感染症の予防につながります。
これから寒さは厳しくなります。のどの渇きを感じる前にこまめに水を飲む習慣をつけ、健康にこの冬を乗り切りましょう。

(2025年1月25日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

サンポプラ病院院長
南園 宗子先生
サンポプラ病院南園先生

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 日本腎臓学会専門医 日本透析医学会専門医 日本内科学会認定医 日本医師会認定産業医(所属学会:日本腎臓学会、日本透析学会、日本内科学会、日本糖尿病学会)

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