宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

いびきが大きいのですが無呼吸症候群ですか(68歳男性)

A.

睡眠時無呼吸症候群は10秒以上の呼吸停止(AHI)が1時間に5回以上のことを言います。症状はいびき、日中の眠気、集中力の低下、熟眠感の喪失、頭痛、夜間頻尿が多く見られます。心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、糖尿病などを2-3倍も起こしやすく、肥満のほかに小さな顎、扁桃肥大が原因で睡眠時に舌根が沈下して気道閉塞が起こります。男性に多く、40-60歳がピークと言われ、女性は閉経後に多く女性ホルモンが関連しています。
開業医では自宅でする簡易検査ができ、1時間の呼吸停止の数(AHI)が40回以上の重症であれば空気を送る持続気道陽圧法(シーパップ)の治療が開始できます。その他の人は、病院で一泊二日の脳波、筋電図、心電図、Sp02の精密検査を行い、大多数を占める閉塞性か中枢性かを区別してAHIが20回以上ならシーパップの治療を開始できます。その他マウスピース装着や鼻中隔湾曲症、扁桃炎の手術などの方法もあります。
生活習慣も大事で運動や減量、タバコを控えめにし、アルコールや睡眠薬も筋肉を弛緩させるため、極力避けた方がよいと思われます。また加湿も大事で付属している機種もあります。喉の渇きには麦門湯、また昇提作用(持ち上げる)のある補中益気湯などの漢方薬も有用です。
まずは簡易モニターをうけてみてください。

(2025年1月10日 サンデーうべ・ワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生
吉中内科医院 吉中院長

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

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