宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

便秘に効く漢方薬はありますか(60歳男性)

A.

大腸がんなどの疾患を除く、通常の便秘の治療はまずストレスをとり、朝起きて直ぐに水を飲むなどの水分摂取に注意し、3食を取り、朝排便があるように朝型のゆとりのある生活が大事です。野菜、豆類、海藻、果物などの食物繊維やヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品の摂取も大事です。この中で果物や水溶性及び不溶性の食物繊維がバランス良く入っています。お肉など残渣が少なくなる食事には注意します。またウオーキングなどの運動も大事です。
薬剤ではよく使用されていた刺激性のプルセニド、ラキソベロンなどはレスキューとして頓用で用いられるようになりました。第一選択は酸化マグネシウム剤であり、その後上皮機能製剤と呼ばれるアミティーザ、リンゼスまた胆汁酸にかかわるグーフィスや小児にも使えるモビコールなども使用されています。時に座薬や浣腸が必要な時もあります。マグネシウム剤は血中濃度に注意が必要です。妊婦さんは新薬の使用には注意が必要です。
一方漢方薬でも刺激性製剤の大黄が含まれていて、服用には注意を要します。大黄を含むものには大黄甘草湯、麻子仁丸、潤腸湯、桂枝加芍薬大黄湯、防風通聖散などがあります。含まない処方として大建中湯、小建中湯などもありよく使用されます。高齢者には麻子仁丸、潤腸湯が使用され、さらに虚弱な人には補剤の補中益気湯も使用されます。更年期障害の婦人には加味逍遙散、桃核承気湯なども使用されることがあります。
まずは漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてください。

(2025年7月4日 サンデーうべ・ワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生
吉中内科医院 吉中院長

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

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