宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

健診で脂質異常を指摘され、食事療法が必要と言われました。どんな食事がいいのでしょうか?(55歳、男性)

A.

脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪(TG)が高い、あるいは善玉コレステロール(HDL)が低い状態を総称したものです。これを放置しておくと、動脈硬化が進行していき、脳梗塞や心筋梗塞など血管の病気を起こしやすくなります。まず、脂質異常症を指摘された場合の食事療法のポイントとしては、適切なカロリーを摂取することです。カロリーが高いと、肝臓でのコレステロールの合成が促進され、余分なカロリーは肝臓で中性脂肪になるため、血中の中性脂肪が高くなります。適正なカロリー摂取で中性脂肪を下げることができます。次に脂質ですが、脂肪は質と量に注意が必要です。飽和脂肪酸を多くふくむ肉類は悪玉コレステロールを上昇させる働きがあります。また、コレステロールを多く含む食品、卵類、レバーやモツなどの内臓類、魚の中でも魚の内臓や魚卵(たらこ、数の子、いくらなど)は食べる量と頻度に注意が必要です。逆に食物繊維を多く接種すると、体内のコレステロールを体外へ出してくれる作用がありますので、食物繊維の多い野菜、海藻、こんにゃく、キノコ類を摂取するようにしましょう。アルコールは中性脂肪を増加させる作用があり、カロリーが高いため、制限が必要です。食事療法を行っても、脂質異常が改善されない場合は薬物療法が必要になるかもしれませんので、医療機関への受診をお勧めします。

(2025年5月24日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

宇部仁心会病院院長
松本 奉先生
宇部仁心会病院松本先生

■プロフィル

大阪医科大学卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本医師会認定産業医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本透析医学会・日本静脈経腸栄養学会

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