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医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近CMで心房細動という言葉をよく聞きます。検脈してもよくわかりません。脈が乱れていないか心配です。

A.

心臓には心房や心室というお部屋があります。心房細動とは心房が十分な収縮をせず、けいれんするように細かく震えることで不規則な脈になる疾患です。動悸や息切れ、胸の不快感や倦怠感、めまいなどの自覚症状が出現してみつかる方もいれば、自覚症状はなく健康診断でたまたまみつかる方もいます。心房細動は年齢が進むにつれて発症率が高くなり、高齢化社会の日本では心房細動患者数は増加しています。加齢は心房細動の大きな原因のひとつで、その他高血圧や糖尿病、心筋梗塞や弁膜症などの心臓疾患、肺疾患のある方は心房細動を起こす確率は高くなります。また、アルコールやカフェインの過剰摂取が心房細動に影響することもあります。心房細動では心房の中の血液がよどんで血栓ができ、血栓が血流にのって脳の血管を詰まらせることで脳梗塞を発症することがあります。心原生脳塞栓症といわれ大きな脳梗塞になりやすいとされています。心房細動による自覚症状のない方でも突然脳梗塞を発症することがあり、脳梗塞発症予防に抗凝固薬(血栓ができにくくするための血液サラサラのお薬)の内服の検討が必要になります。
現在心房細動に対しては内服での治療や根治術を目指したカテーテルでの治療、低侵襲手術での治療など治療の選択肢が増えてきています。脈に関して心配な方は健康診断を受けたり、かかりつけ医や近くの内科に相談してみましょう。

(2025年3月7日 サンデーうべ・ワイド掲載)

長沢病院
長澤 仁明先生

■プロフィル

下関西高等学校卒業/福岡大学医学部医学科卒業
[専門]循環器内科
[資格]日本循環器学会専門医/日本内科学会認定内科医

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