宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

骨量の低下を指摘され、副甲状腺の機能異常が疑われると言われました。どのような病気が考えられるのでしょうか?
 

A.

骨の健康にはカルシウムが欠かせません。そのカルシウムの調整を行うのが、首にある「副甲状腺」という小さな臓器です。副甲状腺は「副甲状腺ホルモン」という物質を分泌し、血液中のカルシウム濃度をコントロールしています。
この副甲状腺の働きに異常が起こると「原発性副甲状腺機能亢進症」という病気になることがあります。この病気では、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで血液中のカルシウム濃度が高くなり、骨のカルシウムが減少してしまいます。主な原因は、副甲状腺にできる良性の腫瘍ですが、まれにがんが関与することもあります。
この病気の影響で、骨がもろくなる(骨粗しょう症)ほか、腎結石、倦怠感、食欲不振、のどの渇き、尿量の増加などの症状が出ることがあります。症状が軽い場合には自覚しにくいこともあります。
治療法としては、症状が軽い場合は経過観察や薬による治療を行うこともありますが、根本的に治すには腫瘍を手術で取り除く方法が有効です。早期に発見し治療することが大切なので、定期的な健康診断を受け、気になる症状があれば早めに内科を受診することをおすすめします。

(2025年3月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

有好内科クリニック院長
有好 浩一先生
有好内科クリニック有好院長

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 医学博士 山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院
日本血液学会専門医・指導医

過去の相談