宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

統合失調症とはどのような病気ですか?

A.

統合失調症とは、脳神経の働きに障害が出る病気です。実際にはない自分の悪口などが聞こえてくる「幻聴」、ありえないことを現実と思い込んでしまう「妄想」、自分と他人との境界があいまいになる「自我障害」といった症状があります。統合失調症になると、知覚・思考・感情・意欲といった精神の働きのバランスがとれなくなるため、生活の様々な場面で困難が生じます。
 治療の基本は「抗精神病薬」といわれる薬を使った薬物療法です。脳の神経伝達物質(主にドーパミン)に作用し、脳神経の働きを調整します。薬物療法に加えて、精神療法やリハビリテーションなども行われます。
 以前は眠気や便秘、パーキンソニズムなどの強い副作用を持つ薬が主に使われていましたが、近年は十分な効果を持ちながら、副作用が出づらい薬が用いられるようになりました。以前は多剤・大量治療が行われることがしばしばあり、そのイメージはいまだに根強いと思いますが、最近はなるべく単剤で治療が行われるようになっています。
 再発しやすい病気で、慢性化しやすいという特徴もあります。また他の病気と違い、病気が悪化するほど病気であるという自覚が乏しくなるため、外来では治療が出来ず、入院が必要になることもあります。しかし適切な治療と療養を行えば、十分有効な治療効果を得ることが出来る病気です。主治医と協力して治療を継続してください。

(2025年2月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

過去の相談