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医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、テレビCMや雑誌で心臓弁膜症という病気をよく聞きます。どんな病気で、どんな検査で発見されるのでしょうか?

A.

心臓の中には4つの弁があり、心臓の拍動によって流れている血液が逆流しないようにする役割をしています。この弁の働きが障害された状態を心臓弁膜症(以下、弁膜症)と言います。初期の症状はありませんが、進行して心臓の機能が低下してくると、心不全や不整脈が生じてきます。そのため、動悸、倦怠感、息切れや呼吸困難、体のむくみ等の症状が出現してきます。
検査として、聴診器で心雑音が発見されたり、心電図やレントゲンの異常で弁膜症が疑われる場合は「心臓超音波(心エコー)検査」を行います。心エコー検査では心臓の大きさ、弁や血管の形態、血液の流れなど、心臓のさまざまな情報をリアルタイムに観察することができます。この心エコー検査で詳しく弁の状態を調べ、弁膜症の程度がどれくらいか、治療が必要であるかの判断をします。無症状でも突然死を起こす可能性のある弁膜症も存在し、診断がつけば治療可能な医療機関に紹介することもあります。弁膜症の治療はここ10年間で大きく進歩しており、治療方法の選択肢が増え、治療の質も向上しています。
弁膜症は加齢に伴って増える傾向があり、高齢化の進行とともにその割合が増加しています。そのため、年に1回は健康診断を受け、異常を指摘された場合は循環器専門の先生に相談しましょう。

(2024年11月1日 サンデーうべ掲載)

長沢病院
長澤 仁明先生

■プロフィール

下関西高等学校卒業/福岡大学医学部医学科卒業
[専門]循環器内科
[資格]日本循環器学会専門医/日本内科学会認定内科医

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