宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

うつ病で3日前に初めて心療内科を受診して薬を処方してもらいましたが、改善がありません。薬はいつごろから効きますか?

A.

抗うつ薬は、飲み始めてすぐに効果が実感できることは多くありません。一般的には、効果が出てくるまでに2週間から1か月程の時間がかかるといわれています。また、その人に合った薬の種類、投与量になって初めて効果が出てくることも多く、実際の治療期間は2~3か月、もしくはそれ以上になることも珍しくありません。
抗うつ薬は、うつ病以外にも、パニック障害や社交不安障害、強迫性障害などの不安に関連した病気の治療に適応が認められています。この場合もうつ病の場合と同様に、治療効果が認められるまで、ある程度の期間がかかります。
時間がかかる理由は、抗うつ薬の作用機序にあります。主だった抗うつ薬は、セロトニンなどのモノアミン(神経伝達物質)の再取り込みを阻害することで作用しています。もの愛民が脳神経内に溜まるのを待つ必要があるため、一定の時間がかかるわけです。抗うつ薬は規則正しく、継続して服用することで体の中で一定量存在するようになり、安定した効果を発揮し始めます。
受診をしたのに治療の効果が感じられないと思うと、よりつらく、焦る気持ちになるかもしれません。ですが、焦らず服薬を続けていくことで、うつ病や不安の改善が期待できます。

(2024年10月12日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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