宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

不眠が続くのですが(68歳男性)

A.

必要な睡眠時間は人によっても違いますが、高齢者では身体活動も低下して、寝付きも悪く、寝ている途中で目が覚める、熟眠感がなくなり、朝型となり、時に早朝覚醒も始まります。必要な睡眠時間が減少し、65歳では6時間と短くなります。また夜間に床の上で過ごす「床上時間」が、長くなるなどの特徴があります。生活上の対策としては考え事を避け、眠くなってから寝床に入り、眠れないときは一旦寝床を離れましょう。昼寝の時間は、30分未満がよいとされています。日中は散歩などの適度な運動が必要です。また朝、日光を浴びると体内時計が整います。反対に睡眠前にスマートフォンなどの強い光を浴びると入眠が妨げられます。就寝1-2時間前に40℃以下のぬるめのお湯に入るとよいでしょう。
食事は規則正しく深夜の食事などは控え、静かなリラックスできる環境で寝るようにしましょう。アルコール、カフェイン、タバコなどは睡眠に悪い影響を与えます。睡眠時無呼吸症候群などの疾患では睡眠障害が起こります。いびきの大きな人は無呼吸の検査も必要で、その治療も大切です。
眠剤としてはロゼレムやベルソムラ、デエビゴは比較的副作用が少ないとされています。効果なければ非ベンゾジアゼピン系のルネスタやマイスリーやベンゾジアゼピン系睡眠薬も使用されますが、転倒に注意が必要です。また高度の不眠症には抗うつ剤が有効な場合もあります。漢方薬の即効性は期待できませんが、加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蛎湯、酸棗仁湯などが処方され有用です。
まず内科もしくは精神科を受診してください。

(2024年9月6日 サンデーワイド掲載)

吉中内科医院院長
吉中 博志先生
吉中内科医院 吉中院長

■プロフィル

金沢大学医学部卒業。山口県立中央病院、山大内科系大学院、宇部興産中央病院などを経て昭和60年に開業。日本臨床内科学会専門医。

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