宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

健康診断でコレステロールが高いと指摘を受けました。高いままにしておくとどうなりますか?生活でどのようなことに気を付ければよいでしょうか?(50代男性)

A.

血液には、コレステロールや中性脂肪などの脂肪分が含まれます。また、コレステロールの中には、「悪玉」と呼ばれるLDL-コレステロールと、「善玉」と呼ばれるHDL-コレステロールがあります。血液中に含まれる悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪が増加し、善玉(HDL)コレステロールが減少すると、「脂質異常症」と診断されます。
脂質異常症は、動脈硬化の原因となり、このまま数値を高いままにしておくと心筋梗塞や脳卒中など深刻な病気にかかる危険性を高めます。これらを予防するためにも、悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の値を適切に保つことが大切になります。
生活で気を付ける点は検査結果の程度によっても異なりますが、「食事」、「運動」、「禁煙」などの生活習慣の改善が第一になります。まず、「食事」は暴飲暴食を避け、1日のエネルギー摂取量を適切にしましょう。油を多く含む食品の食べ過ぎに注意し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。「運動」では無理のない適度なウオーキング等の有酸素運動が効果的です。楽しみながら行える運動を見つけて継続することが大切です。最後に「禁煙」ですが、喫煙は動脈硬化の危険性を高めるといわれています。その危険性を、少しでも下げるために、喫煙はやめましょう。
動脈硬化の進行度合いは血圧脈波検査装置で評価することができ、血管の硬さ、血管の詰まり、血管年齢を数値として詳しく知ることができます。気になる方は循環器内科に相談し、検査をしてもらってください。
治療方針は人それぞれ違いますので、病院の先生に相談をして、適切な食事や運動をライフスタイルの中に上手に取り入れていきましょう。

(2023年11月3日 サンデーうべ・ワイド掲載)

長沢病院
長澤 仁明先生

■プロフィル

下関西高等学校卒業/福岡大学医学部医学科卒業
[専門]循環器内科
[資格]日本循環器学会専門医/日本内科学会認定内科医

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