宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近気がついたのですが、脈をはかると1分間に多い時は4,5回飛びます。特に症状はないのですが、詳しい検査が必要でしょうか?

A.

 「期外収縮」と呼ばれる不整脈が出ている可能性があります。期外収縮は、通常のタイミングで心臓が収縮するよりも早期に電気刺激が生じるためにおこる不整脈です。最も多い不整脈で、自覚しない人のほうが多いのですが、のどや胸の不快感、動悸、またはキュッとしたごく短い時間の痛みとして感じる人もいます。また期外収縮が連続して出現したときは、一時的に血圧が下がり、めまいや動悸を自覚することもあります。
 期外収縮は器質的な心臓病(狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患、心臓弁膜症など)を全くもたない、いわゆる健康な心臓の方でも起こり、特に中年以降はこのような不整脈の発生率が高まります。疲労やストレス、喫煙や深酒、便秘や体調不良などを契機におこることもあります。
 器質的な心臓病を有さない方の期外収縮については、まったく命に別状がありませんし、失神発作などの重大な合併症につながることも極めてまれですので、心配される必要はありません。そうはいっても動悸症状が強くでて、日常生活に困る場合には内服薬で楽になることも多くあります。
 ただ、器質的な心臓病があってこれらの不整脈が出ている場合もあり、そのような場合には心臓病の治療が必要です。今まで一度も心臓エコー等での心臓の検査を受けられていないのであれば、近隣の循環器科に相談していただき、心臓エコーや24時間心電図などの検査で、一度は精査を受けていただくことをお勧めします。

(2021年8月21日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

宇部仁心会病院副院長
橋本 弦太先生
宇部仁心会病院橋本先生

■プロフィル

山口大学医学部卒業、日本内科学会総合内科専門医・日本循環器学会専門医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本心血管インターベンション治療学会・日本不整脈心電学会・日本心臓リハビリテーション学会

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