宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

お腹にガスがたまってげっぷやおならもよく出てしまい人前で恥ずかしい思いを何度もしました。いくつかの病院にかかって検査を受けたのですが何も異常はなく、ガスが出やすくする薬など試したのですがよくならず困っています。どうしたらよいでしょうか?(50代女性)

A.

 いろいろと検査を受けられ試されたお薬も中々効き目がなさそうですしかなりお困りの様子ですね。
 質問の内容だけでは、はっきりとこれ!とは言えませんが、便秘がなくお通じがすっきりと出ているようであるのならば、知らない間に空気を飲み込んでしまう『呑気症』ではないか?と思いました。お腹の空気、おならは「殆どが口から飲み込んだ空気」なのでたくさん飲みこんでしまうとお腹に空気が溜まりすぎて、げっぷやおなら、ひどくなれば腹痛、吐き気や胃もたれが強くなるでしょう。
 この呑気症ですが①早食い、よく噛まずに食べる人、②タバコを吸う人、③鼻炎などで痰が多く口呼吸の多い人、④ストレスが多く夜中に食いしばりをしている人に多いです。早食いすると空気も一緒にたくさん飲み込みますし、タバコや鼻炎では唾液、痰や鼻汁が多くなると唾液・痰・鼻汁を何度も飲み込むので空気も一緒に飲み込んでたくさんの空気が胃腸に溜まってしまいます(花粉症がおありでしたらその時にガスが溜まり易くなっていませんでしたか?)。口呼吸が多い人は口から入った空気を一度に飲み込み易く、ストレス過多で食いしばりが出やすい人は喉の奥に唾液と空気が溜まりやすいのでそれを飲み込んでしまいガスが溜まってしまうのです。ストレスがあると緊張しやすく「思わず息をのむ」というのは実際にストレスで緊張の多い人に良くあります。
 要は食べ方対策、唾液や痰、鼻汁を少なくすること、口呼吸の対策、ストレス緩和の対策を行えるとよいです。具体的には「早食いしないでよく噛むこと」、禁煙、鼻炎の対策や治療、ストレスを和らげるようなリラックスする時間を作ったり過度のストレスで苦痛ならば心療内科などへの相談もよいでしょう。食いしばり対策でマウスピースを歯科で作ってもらうのもよい方法です。その他胃腸の動きが悪い方であれば、胃腸の動きを整えるようなお薬の治療もよいでしょう。
 まずはかかりつけ医や上の生活習慣や自覚症状に関連した科の先生に診てもらうことをお勧めします。

(2021年5月7日 サンデーうべ・ワイド掲載)

生協小野田診療所 所長
内科・家庭医療科・在宅療養科
廣田 勝弘先生
生協小野田診療所廣田先生

■プロフィル

日本プライマリ・ケア連合学会認定医・認定指導医
山口大学医学部 臨床講師
日本在宅医療連合学会 認定専門医

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