宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

うつ病とはどのような病気でしょうか?治る病気でしょうか?

A.

 うつ病とはさまざまなこころや体の不調があらわれる病気です。こころの不調には、抑うつ気分(落ち込んだ、憂うつな気分)、意欲や興味の減退、頭の働きが鈍る、喜びや楽しさを感じなくなる、などがあります。また体の不調には睡眠障害や食欲低下、倦怠感・疲労感、頭痛、首や肩のこり、などがみられます。
 うつ病の原因はまだ完全に解明されていませんが、「心理的なストレス」「脳内の変化」「なりやすい体質」などが複雑に組み合わさって、病気になるといわれています。こころの病気というイメージが強いですが、脳の病気です。
 うつ病は抗うつ剤を中心とした薬物療法と休養が治療の柱になります。海外のSTAR*Dと呼ばれる研究では、適切な治療を行えば48週から60週までの間に、67%の人が寛解状態になったと報告されています。治療には時間がかかりますが、今はつらくともあきらめず、焦らず治療を続けてください。しっかりと治療をすることで、元の仕事や生活に戻ることができる病気です。
 一方で、うつ病は再発が多いことが知られており、1度うつ病にかかった人が再発する可能性は6割と言われています。再発予防のためには確実に治療を行うことが重要です。症状がよくなったら薬を飲むのが嫌になる気持ちはとてもわかりますが、医師の指示通りに治療を続けてください。

(2021年2月27日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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