宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

自宅療養中の夫のことで相談です。以前は定期通院できていたのですが、病気の後遺症と老いが進んだことで、車の乗り降りが大変になり、現在はかかりつけ医の訪問診療をお願いしています。病状は比較的安定していたのですが、このところ急に体調を崩すことが多くなり、臨時で往診してもらう機会も増えてきました。医師からは訪問看護を利用するように勧められていますが、身の回りのことはほとんど私ができていますので、その必要性があまり感じられません。このような状態でも訪問看護をお願いしていた方がよいのでしょうか?(70歳代、女性)

A.

 かかりつけ医から訪問看護の利用を勧められているということは、それだけ看護の必要性があるからだと思われます。普段の状態観察や介護はほとんど奥様がされているようですが、状態が安定しているときはともかく、ご主人が風邪や褥瘡(じょくそう)などで体調を崩されると、お一人で抱えていくことは大変困難になります。そんなとき、普段からよく見知っている看護師がそばにいると容態の変化にも気づいてくれますし、医師の往診で何らかの医療処置が必要になったときも何かと助けになってくれます。
 順番としてはまずは外来通院をしながら訪問看護も並行して利用し、外来通院が難しくなる一歩手前で訪問診療を活用するのがよいかと考えます。
 看護師が行う訪問看護と医師が行う訪問診療は車の車輪のようなもので、どちらがかけても不安定になってしまいます。
 もちろん費用の負担も発生しますが、人の助けを借りられるとことは他の人にお願いし、奥様は奥様でなくてはできないこと、一緒に大事な時間を過ごすことに意識を傾けてみることが大事かと思います。
 まずはかかりつけ医からお近くの訪問看護ステーションを紹介してもらい、お話だけでも聞いてみましょう。きっと「訪問看護をお願いしてよかった」と思うときが来ます。

(2016年12月28日 サンデーうべ掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

過去の相談