宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

夕方になると、足がむくみます。どんな原因が考えられますか?(65歳、女性)

A.

 体の中で、最も、むくみが起こりやすいのが足です。重力や筋肉量が関係していて、老廃物を抱えた血液がなかなか心臓へ戻りにくくなります。よって、足のむくみは一般に、立ち仕事の人に多い症状ですが、実はデスクワークの人にも、よく認められます。どちらも同じ姿勢を続けることで、脚の組織液(水分を含む血液、リンパ液など)の循環が悪くなり、細胞のすき間などに水分が停滞するからです。こうした足のむくみの多くは、一過性のもので、一晩寝て治まる程度なら、心配はありません。 しかしながら、注意が必要なのは、病気が原因となる足のむくみです。原因には、心臓や肝臓、腎臓など、様々なケースが考えられます。腎性(腎炎、ネフローゼ、糖尿病)、心性(心不全、肺性心)、肝性(慢性肝炎、肝硬変)、食餌および消化管性(栄養障害、低蛋白血症)、甲状腺機能低下症などの臓器障害や、悪性腫瘍などの鑑別疾患があります。このように、むくみの原因には様々なケースが考えられ、重大な病気が発見されることもあります。むくみがなかなか治まらない場合には、必ず病院を受診し、検査するようにしましょう。

(2018年12月12日 サンデーうべ掲載)

宇部仁心会病院院長
松本 奉先生
宇部仁心会病院松本先生

■プロフィル

大阪医科大学卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本医師会認定産業医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本透析学会・日本静脈経腸栄養学会

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