宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

右の顔面に力が入らなくなり、耳鼻科で顔面神経麻痺と診断されました。目が閉じにくい上、ゴロゴロします。どうすれば良いでしょうか?(71歳、女性)

A.

 顔面の動きをつかさどる脳神経である顔面神経が麻痺すると、まぶたを閉じる筋肉である眼輪筋が働かなくなり、目を閉じることができなくなったりします。目が閉じにくいために角膜(黒目)が乾燥して角膜炎を生じます。自覚症状としては異物感、流涙、視力障害などがあります。重症な場合では角膜腫瘍や角膜混濁により視力障害を残すこともあるので、角膜が傷んでいるかどうかを細隙灯顕微鏡などで確認することが大切です。角膜が傷んでいる場合には、角膜を乾燥させないような治療を行います。昼間は人口涙液やヒアルロン酸点眼液などで眼表面に水分を補給します。就寝中も開瞼したままのことが多いので、就寝前に眼軟膏を点入するようにします。
 多くの場合にはこれらの対応で角膜を守ることができますが、重症な場合にはテープなどで強制的に目を閉じることもあります。顔面神経麻痺が生じた場合には眼科でもご相談ください。

(2019年11月27日 サンデーうべ掲載)

くまがい眼科院長
熊谷 直樹先生
くまがい眼科熊谷先生

■プロフィル

横浜市大医学部卒業、同大学院修了 医学博士
横浜市立大学医学部眼科講師、山口大学医学部眼科助教授を経て
平成19年くまがい眼科開院 日本眼科学会認定眼科専門医など

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