宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

徐々にですが、近頃特に寝てから尿に起きることが多くなりました。日中はむしろ少ないようですが、急に行きたくなります。治りますか?(76歳、男性)

A.

夜間就寝中に2回以上排尿があれば夜間頻尿と言います。年齢とともに体液の分布、心臓や腎臓、ホルモンの働きの変化により男女とも夜間尿量が日中より増してきますので就寝後に排尿に起きる様になりがちです。特に高年男性は膀胱の出口にある前立腺が腫大してきて前立腺肥大症となり排尿を障害してくるため、尿が全部排尿できず残尿を生じ蓄尿容量の減少と共に排尿の勢いが衰えてきます。膀胱自体の筋肉や支えている筋や筋肉と周囲の神経も脆弱化してきて不安定となり、尿を上手く貯めておけなくなります。それで急に尿意を感じたり、こらえきれなくなり漏れたりもします。逆に尿閉と言ってまったく排尿が出来なくなることもあります。前立腺は癌もできやすく、頻尿は初期症状の典型です。血液検査のPSAで前立腺癌は見つけることができます。最近は治療法もいろいろありますので、ためらわずに専門の泌尿器科への受診をお勧めします。

(2022年11月26日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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