宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

足のむくみが気になります。病院を受診した方がいいですか?(80歳、女性)

A.

 まず、足のむくみのメカニズムからご説明します。人間の体は、心臓から全身へ血液が送り出されます。その時に、酸素や栄養分を送り届けると同時に必要がなくなった二酸化炭素や老廃物を含んだ血液を心臓に戻します。足を流れ心臓に戻る血液は、重力に逆らって心臓に戻らなくてはなりません。そこで血液を戻すためのポンプの役割を果たすのがふくらはぎの筋肉です。そのため、血液を心臓に戻すには、ふくらはぎの筋肉が必要になります。これがなんらかの理由でうまくいかなくなると、ふくらはぎで血液がよどんで足がむくむのです。
 病気が原因のむくみ以外は、生活習慣の改善でむくみが改善することがよくあります。
例えば、デスクワークや立ち仕事など長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎの動きが少なくなり、足の血液が心臓に戻りにくくなるために、足がむくみます。また、運動不足によりふくらはぎの筋肉が衰えると、足がむくみやすくなります。その他、過度なダイエット・塩分の摂りすぎ・アルコールの摂りすぎ・冷えなどもむくみの原因です。また、女性は男性よりも筋肉量が少ないため、足がむくみやすい傾向にあります。こういった足のむくみは心がけ一つで改善することがよくあります。
 しかしながら、放置してはいけない足のむくみもあります。むくみが1日中続いて、足に痛みを伴ったり、尿の出が悪い・息苦しい・顔まで腫れて来たなどの症状を伴う場合は、早めに病院を受診して下さい。むくみの原因として、心臓・腎臓・肝臓に病気が隠されていたり、また、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症(エコノミー症候群)が原因の場合もあるからです。

(2022年10月8日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

宇部仁心会病院院長
松本 奉先生
宇部仁心会病院松本先生

■プロフィル

大阪医科大学卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本医師会認定産業医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本透析学会・日本静脈経腸栄養学会

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