宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

風邪でもないのに急に発熱し、次第に尿が近くなり残った感じがして、排尿しづらく痛くなり血尿になってきました。どうしたらよいのでしょうか。(71歳、男性)

A.

 恐らくは尿路の感染症で、症状から急性前立腺炎や急性腎盂腎炎と思われます。男性には膀胱の出口に連なって前立腺と言われる精液となる前立腺液を分泌するクルミ大の臓器があります。細菌などが尿道から侵入してそこに感染をおこすと発症します。女性には前立腺は無いのでそのまま膀胱炎となり発熱はありません。前立腺炎は若い人でも(クラミジアなど)おこります。中年以降では年齢と共に前立腺が腫大して前立腺肥大症(しばしば前立腺癌も)となり、排尿障害や残尿を生じており感染しやすくなっています。症状は頻尿、排尿困難、残尿感、排尿痛、発熱、血尿などで、状況から急性前立腺炎が疑われます。感染・炎症が周囲他臓器に波及拡大すれば陰嚢では精巣上体炎、腎臓なら腎盂腎炎となり、ついには血液に菌が入り菌血症(敗血症)にもなります。症状が重篤なら入院も必要です。早急に的確な抗菌剤による治療が必要ですから、専門である泌尿器科への受診をお勧めします。

(2022年4月23日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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