宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

手にウイルスが付着していないか心配で、一日に何度も手洗いをしてしまいます。メンタルの病気でしょうか?

A.

 コロナウイルス感染の流行で、以前に比べて手を洗う回数が増えたという人は多いと思います。感染予防のために手洗いは必要な行動です。しかし、強い不安にかきたてられて何度も手を洗ったり、肌荒れするほどアルコール消毒をくりかえしたりなど、明らかに「やりすぎ」な行為をともなうことがあります。このように不安が度を越し、生活が不便になったりしている場合は、「強迫性障害」かもしれません。
 強迫性障害には強迫観念と強迫行為のふたつの症状があります。強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、その内容が「不合理」だとわかっていても、頭から追い払うことができません。強迫行為とは、強迫観念から生まれた不安にかきたてられて行う行為のことで、無意味とわかっていてもやめられません。代表的な強迫行為の中には、不潔恐怖(手洗いがやめられない)、確認行為(戸締りや火の元などの過剰な確認)、儀式行為(決められた通りに行動しないと悪いことが起きる気がする)などがあります。
 強迫性障害は、誰もが生活の中で普通にしていること(戸締まりの確認や手洗いなど)の延長線上にあります。性格的なものか、病気にあたるかは判断が難しいところですが、日常生活に支障をきたし、自分や家族、周りの人が困る場合は、医療機関に相談をしてください。

(2022年4月9日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

過去の相談