宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

糖尿病で神経障害があると言われました。これからどうしたら良いのでしょうか?

A.

 詳細に触れず、大まかな話だったのでしょうか?糖尿病の状態が不良であると3大合併症や動脈硬化性疾患等のさまざまな合併症を患うこととなります。糖尿病の不良状態が長期であるほど発生しやすくなりますが、典型的な神経障害は、両方の足先や足の裏からしびれを感じるようになり、進行すると痛みとなることがあります。さらに進むと痛みや冷たさを感じなくなり、足に怪我や火傷をしても気付かないまま細菌感染や壊死を引き起こし、残念なことに下肢切断となることもあります。一方、自律神経も同じく障害されます。症状はさまざまで、胃もたれ感や慢性的な便秘・下痢といった胃腸書状、尿が出にくい、尿意を感じにくいといった排尿障害、立ちくらみ等は日常生活の質を低下させ、不具合を感じる事が多くなります。心筋梗塞を発症した時に痛みを感じないことも珍しくはありません。痛みがないことで前兆を見逃す原因となり得ます。
 これらは事例の一部分にすぎませんが、神経障害は比較的に早い時点で問題となることの多い合併症であり、糖尿病の悪化を察知する契機となり得ます。重篤な問題となる前に、貴方に向けて体が発した危険信号なのでしょう。

(2022年2月12日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

有好内科クリニック院長
有好 浩一先生
有好内科クリニック有好院長

■プロフィル

平成6年 山口大学医学部卒業 医学博士 山口大学附属病院病棟院長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院
日本血液学会専門医・指導医

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