宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

以前からよく膀胱炎になり、近医で薬をもらうとすぐに良くなっていたのですが、最近は頻繁になりだし飲み残しておいた薬を飲んでも治りません。どうすればよいですか?(59歳、女性)

A.

 近年世界的に問題となっている薬の効かない耐性菌に変異しており慢性化しているものと思われます。体の構造上女性に多い膀胱炎は頻尿、排尿痛、残尿感、血尿など起こしますが、それらの症状は細菌による膀胱炎からばかりとは限りません。自分で安易に薬を飲み残して置いてまた飲むことなどせず、薬は副作用でも無い限りは医師の指示通りの服用が必要です。最近の増殖が抑えられるだけでも自覚症状は改善しますが、菌が全部死んで治った訳ではありません。飲んだり飲まなかったりしても薬が有効濃度に達せず菌は死にません。生き残った細菌はより強くその薬の効かない耐性菌となってまた増殖して来ます。受診前、先に薬を飲んでいるとできませんが、症状が細菌感染によるものと診断されたら細菌培養をして起因菌を同定し、その薬剤感受性から最適な薬の的確十分量の投与が治療の基本です。近年従来は大変有効だった薬(抗菌剤)も耐性がついて無効となってきており、過去の様にどれでも効いて治ると言う現状ではなくなっています。治らないのであれば、原因も含め尿路感染が専門の泌尿器科への受診をお勧め致します。

(2021年12月11日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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