宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

90代の母がいるのですが、最近体調を崩すことが多く、かえって内科の定期通院ができずに私がお薬だけを取りに行くことが増えてきました。訪問診療を検討していますが、末期癌などでなくても来てもらう事は可能でしょうか?(60歳代、女性)

A.

 訪問診療は可能です。相談者の場合、やむを得ない事情があるとはいえ、無診察治療(医師が自ら診察せずに投薬等を行うこと)にあたる可能性があります。真にやむを得ない事情があるとき以外はしっかり医師の診察(問診だけでも良いです)を受け、投薬してもらうのが良いと思います。
 お母さん本人が外来に行くと、まず受付事務と話しをし、看護師と会い、医師の診察を受け、薬剤師と薬の相談をすることができます。そのことで多くの情報が得られ、誰かがお母さんの異変に気づく可能性が高くなります。 訪問診療であれば、医師・クリニックの看護師、訪問看護ステーションの看護師、薬局からは薬剤師がそれぞれ関わることができ、外来以上にきめ細かい対応が可能になります。
 訪問診療を受けるには「通院が困難であること」が条件です。 病気や障害のための歩行困難や寝たきり、認知症の方が含まれます。体調不良が続き通院困難な方も同様です。末期癌である必要はありません。
 かかりつけの診療所に訪問診療をお願いしてみてください。

(2021年8月7日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

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