宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近ニュースで適応障害というのを聞きました。どんな病気でしょうか。

A.

 適応障害とはストレスが原因で引き起こされる感情や行動の症状により、仕事や学業、家事育児などその人の社会的な機能が困難になる状態のことを言います。
 何をストレスに感じるかは人によってさまざまで、人間関係での悩みや仕事での忙しさ、病気への不安など様々なことがストレスになりえます。また就職や昇進、結婚、出産など一見喜ばしいと思われる出来事もストレスの原因となることがあります。
 症状も人によってさまざまですが、何をしても楽しくない、意欲が出ず何もする気がしない、イライラしてしまう、気持ちが焦る、といった感情面の症状や、眠れない、食欲がわかないなどの身体的な症状が出現することが多いです。
 治療はストレスの原因が解決することが一番ですが、なかなか容易でないことも多く、ストレスが続く限り症状が続くこともあります。薬物療法だけでは解決しませんが、心身の症状を緩和させ、ストレスへの回避を最小限にとどめる上では非常に有効な手段になります。
 適応障害とうつ病は一見症状が非常に似ていますが、適応障害の場合その症状はストレスに直面しているときだけ出現し、ストレスから離れると比較的安定して過ごせる、といった特徴があります。ただ適応障害からうつ病へ移行するケースもあるため、その見極めは精神科専門医でも難しいことがしばしばあります。症状が続く場合は、一度精神科専門医にご相談されることをお勧めします。

(2021年7月10日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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