宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

昨日、下腹部に激痛があり、病院へ行きました。着いた時には痛みは軽くなり原因は不明でしたが、尿管結石かもしれないと言われました。どうしたらよいですか?(55歳、男性)

A.

腎臓が血液を濾過して尿中に出て来た体の老廃物が析出凝集したものが尿路結石です。腎臓から排出され、尿管を閉塞すると尿の流れが妨げられて腎臓・尿管が拡張するため激痛となるのが尿管結石の特徴です。超音波やX線の検査で確認して診断します。尿管が閉塞したまま放置していると腎臓の機能は低下してきます。そして閉塞は尿管癌などが原因のこともあり、泌尿器科での確定診断の必要があります。また中性脂肪、コレステロールの脂肪分や動物性たんぱく質を取り過ぎると結石はできやすく、動脈が石化し動脈硬化も進みます。水分摂取が不十分だと再発しやすく、脱水傾向の状態では自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスも不調となります。近年、食生活の欧米化とともに尿管結石も増えていて、生活習慣病の一部ともいえます。治療法は結石の大きさや部位によって異なり種々あります。食物繊維や発酵食品などとバランスの良い食生活とこまめな水分補給を心掛けながら、正確な診断と適切な治療のため泌尿器科の受診をお勧めします。

(2021年3月13日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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