宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

以前に健診で血尿を指摘されて、検査したことがあり、その時は特に異常はなかったのでそのままにしていました。先日、目で見ても赤い尿が出ましたが、痛くも何ともありません。このままで良いでしょうか?(41歳、女性)

A.

血尿には、健診時に試験紙で見る「尿潜血」と、顕微鏡で赤血球を直接確認できる「顕微鏡的血尿」と、自分でも赤いと判る「肉眼的血尿」に分けられ後ろほど重症です。血尿の原因には良性から悪性(癌)までいろいろあります。検査で具体的に原因を説明できずに異常とされない場合や、例えば膀胱炎などの炎症や尿路結石があっても認められますが、検査の主目的はやはり尿路(腎臓・腎盂・尿管・膀胱・尿道)と前立腺(男性)の癌を早期に発見するためです。なぜなら癌は初めのうちは痛みなどの自覚症状は無く、しかも進行してしまうと治療がより困難になるからです。血尿は重要な手がかりです。大きさや部位(上部尿路など)により、病気(癌)は検査の仕方や一回だけの検査では判らないことがあります。今止まっていても肉眼的血尿は心配です。前回と状況が変わっているかもしれません。医療も日進月歩です。放置せずに、診察・検査を専門である泌尿器科で受けられることをお勧めします。

(2020年8月28日 サンデーうべ・ワイド掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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