宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、階段を上ったり、坂道を歩いていると、胸が重苦しくなるため、しばらく休みます。そうすると、症状が消えていきます。普段、安静にしていると、全く症状はありませんが、病院を受診した方がいいでしょうか?

A.

 虚血性心疾患という心臓の筋肉への血流が悪くなる病気かもしれません。虚血性心疾患には狭心症と心筋梗塞があります。狭心症は、心臓の血管が細くなるために一時的に血流が悪くなる状態で、心筋梗塞は、心臓の血管がつまってしまい、それにより心臓の筋肉が壊死してしまっている状態です。
 今回の胸部症状は、しばらく安静にしていると、症状が消失しているため、狭心症の可能性があります。狭心症は上記の症状が典型的ですが、他にも、労作時に動悸がしたり、首からあごにかけて痛みを感じたり、また、歯の痛みや胃の痛みといった訴えの場合もあります。
 狭心症は、症状が消失すると、心電図や心臓エコー検査では異常がないことが多いため、問題がないと診断されることがあります。しかしながら、最近では、CT検査で簡単に心臓の血管を検査し、狭心症の診断をすることが可能です。以前は、心臓CT検査では7~10秒程度の撮影時間が必要でしたが、最新のCTでは、最短1秒程度、1心拍で鮮明に心臓の撮影が可能です。また、被ばく線量も大幅に低減することが可能で、患者さんの負担を軽減したCT検査で、狭心症の診断が容易になってきていますので、上記のような症状がありましたら、CTによる精査をお勧めします。

(2020年6月26日 サンデーうべ・ワイド掲載)

宇部仁心会病院院長
松本 奉先生
宇部仁心会病院松本先生

■プロフィル

大阪医科大学卒業、日本内科学会認定医・日本循環器学会専門医・日本医師会認定産業医
≪所属学会≫日本内科学会・日本循環器学会・日本透析学会・日本静脈経腸栄養学会

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