宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

「エンディングノート」についてアドバイスをください。以前から「終活」という言葉が目につくようになり、友人の中にもいざというときに備えてエンディングノートを書いているという人もいます。私も興味があるのですが、いざ「死」について考えると、憂鬱な気分になりそうで気が進みません。やはり友人のようにエンディングノートを準備する必要があるでしょうか。(70歳代、女性)

A.

 「エンディングノート」という言葉は一般的に広まっている様ですが、実際に患者さんたちと話していると「遺言書」や「遺書」と同じような意味合いで間違って使われている事が多いように感じます。「エンディングノート」には法的根拠はありません。市販では一部数百円から、高いものでは数千円する高価なものまであるようです。何度でも書き直せるように安価なものや市販のノートでよいと思います。
 「死に方について考える」と思うと、暗い気持ちになるのも理解できます。しかし、より現実的なこと、例えば財産や具合が悪くなったときに連絡してほしい医療機関、また今後も付き合いたい友人関係、ペットの世話、庭木の手入れや、趣味でコレクションしているものの扱い方まで、いざというときに他の人が手伝えるように準備するのも「エンディングノート」の役割です。自分史を書くようなつもりで、私小説風にしてもよいかもしれません。
 最近は市町村の窓口で無料のエンディングノートを配布するところもあるようです。実際に手に取ってみるとより現実的なことが書いてありますので、その見方が変わるかもしれません。宇部市役所に問い合わせてもよいでしょう。
 欧米では「メメントモリ(死を思え)」ということを幼少期から教えられますが、これは死について考えることで、よりよく生きる、生きることを楽しむことを目的としています。
 「エンディングノート」を準備することも大事ですが、普段からご家族とよく会話をして、「これまでの人生、これからの人生」について意見を交わしておくと毎日が充実し、より健康に過ごせると思います。

(2018年7月11日 サンデーうべ掲載)

波乗りクリニック院長
小早川 節先生
波乗りクリニック小早川先生

■プロフィル

平成10年 山口大学医学部卒業
日本プライマリ・ケア連合学会指導医・総合診療医
同大附属病院総合診療部を経て、平成26年5月 在宅療養支援診療所「波乗りクリニック」開設

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