宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、たびたび膀胱炎になります。市販の薬やもらった薬で一時的には治まるような気はしますが、しばらくするとまたすぐになります。どうしてでしょうか?(58歳、女性)

A.

 膀胱炎、細菌(主に腸内細菌)が尿道から入ってきて膀胱粘膜に炎症を起こすことから始まります。女性は尿道が短く、しかも膣や肛門に近いため起こしやすいといえます。膀胱炎を繰り返す原因はいろいろ考えられます。まず、最近が入りやすい状況・状態として、尿を我慢していたり、水分量が少なく尿量が少ない時やオシメをしていたり、生理中や下痢・便秘で不潔になった時、腰が冷える時などがあります。洗浄式トイレや入浴時の洗い過ぎも、年齢とともに可能性があります。治りにくい現状として、薬の効きにくい薬剤耐性菌の増加があります。膀胱炎は感染症ですから、原因となる起炎菌と細菌培養で同定し、薬剤感受性を調べて殺菌する力を持つ有効な薬剤を的確に必要十分に投与する必要があります。しかし、先に抗菌剤の投与があると菌が育たず同定できません。また、個体の状態として排尿障害で残尿がある場合や、糖尿病、白血球の少ない方、リウマチなどで免疫力を抑える薬を服用し免疫力が低下している方は、菌が死ににくくなかなか治りません。一度、専門の泌尿器科での診察・検査をお勧めします。

(2019年6月26日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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