宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

近頃、徐々にですが夜間にたびたび尿に行くようになりました。昼間はむしろあまり行きません。夜寝た気がしません。どうしたものでしょうか?(71歳男性)

A.

 夜間就寝中に2回以上排尿に起きれば、夜間頻尿といえます。標準的には1日に7~8回の排尿で1.0~1.5リットルの尿量といわれますが、男女とも年とともに、昼間より夜間の尿量自体が多くなってきます。原因は歩行や動くことが減り、心臓の血液・体液を汲み上げる力も弱くなり、体の組織も緩んでくるので、水分が重力に負けて下肢に貯まります。夜間就寝して横になると、水分が血管に戻ってきて尿となる上に、尿量を減らす脳下垂体のホルモンも年齢につれて減少し、夜間尿量が増えて来るからです。その上、男性は膀胱の出口にある前立腺が年齢につれて大きく腫大(前立腺肥大症)し、排尿を障害して残尿を増加し、かつ膀胱を刺激するため一層夜間頻尿になります。特に注意が必要な近年急増中である「前立腺癌」も症状は同様となりますが、採血でPSAを検査すれば見つける事ができます。
 前立腺肥大症も前立腺癌も、今日ではいろいろな治療法があります。専門である泌尿器科の受診をお勧めします。

(2019年11月13日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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