宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

徐々にですが最近特に、たびたび尿に行きたくなり我慢しづらくなりました。我慢するように言われ我慢したら漏れてしまいました。どうしたら良いですか?(62歳、女性)

A.

 1日に7~8回が標準的な排尿回数ですが、それ以上になると頻尿といえます。原因はいろいろありますが、女性では膀胱炎(感染症・化学性)、難病である間質性膀胱炎、膀胱の癌や結石、子宮や卵巣の腫瘍(圧迫・刺激)、及び男性では前立腺(肥大・癌)による残尿などの有無はまず調べておく必要があります。熱中症や脳梗塞対策での飲水や排尿の我慢も方法・程度の問題です。脳や脊髄・脊椎の病気も含めそれらが無ければ、膀胱の排尿状態を考えます。年齢とともに脊椎の骨は変形し、骨盤、膀胱の神経や筋肉は劣化していきます。特に女性は骨盤内に臓器が多く、神経や筋肉も複雑で細く脆弱で変異や個体差があり影響が大きくでます。排尿状態は残尿量で判ります。排尿筋低活動や下垂・脱などで残尿量が多いと有効膀胱容量が減少して頻尿となり、我慢していると溢れだし溢流性尿失禁となります。逆に残尿が無ければ膀胱の神経・筋肉が脆弱になり不安定となっている過活動膀胱などが疑われます。これらは神経因性膀胱といわれそれぞれに適した治療法があります。専門である泌尿器科の受診をお勧めします。

(2020年3月11日 サンデーうべ掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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