宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

8歳の男の子なのですが、4、5日前に下腹部がはれていると言ってきました。痛みもなく、柔らかく、押さえると引っ込みます。なんでしょうか?どこの科で診てもらえばいいですか?(31歳、女性)

A.

お話からは鼠径(ソケイ)ヘルニア、いわゆる脱腸だと思われます。立った時とか、お腹に力を入れた時とかにポコッと下腹部に柔らかい盛り上がりが出てきて、寝たり、押さえたりすると盛り上がりがなくなります。この盛り上がりをはれと表現されているのだと思います。ひどくなると盛り上がったままで、場合によっては睾丸のほうまで盛り上がります。この盛り上がりをヘルニアといいます。中には腸が入っている場合が多いです。子供や、腹筋の力が弱くなってきた高齢者に見られます。外科を受診して、診察を受けて下さい。鼠径ヘルニアであれば、治療が必要です。
治療は手術です。嵌頓(かんとん)といって、腸がヘルニアの中に入りこみ、元に戻らなくなると、ひどく痛み、緊急手術が必要になります。場合によっては、入り込んだ腸が腐ってしまい、腸を切らないといけなくなります。
この質問は7月に頂戴しました。このお子様は夏休みを利用して手術を受けられました。学童期には夏休みなどを利用して、手術を受けるよう調整してもらいましょう。

(2023年9月9日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

やまもとクリニック院長
山本 光太郎先生
やまもとクリニック山本先生

■プロフィル

平成元年 山口大学医学部卒業
山口大学医学部消化器・腫瘍外科(旧第2外科)助手を経て、平成17年10月「やまもとクリニック」開院
日本医師会認定産業医

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