宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

先日、右下腹部に強い痛みが起こり、痛みが増悪するため、病院を受診し、腹部のCT検査を受けました。大腸憩室炎と診断され、入院加療となりましたが、今後どのようなことに気をつければよいでしょうか。(72才女性)

A.

 大腸憩室は、大腸の粘膜が腸管壁を貫いて外部に突出してできたポケット状の変形したものです。比較的よく見られるもので、日本人全体の大腸憩室をもっている頻度は約30%くらいで、80才以上では約70%と、年齢とともに上昇していくことが明らかになっています。憩室炎は、憩室の中で最近が繁殖し、炎症を起こすことで発症します。持続的な腹痛や発熱、悪心などの症状を認めます。大腸憩室炎と診断された場合は治療が必要です。軽症の場合は通院で治療することもありますが、中等度以上の場合は入院のうえで、抗生物質による治療や食事制限が必要となります。
 一度大腸憩室炎をおこした人の再発予防としては、できるだけ便秘をしないようにすることが大切です。そのためには、食物繊維と水分摂取、適度な運動を行うことが勧められます。発酵食品のヨーグルトやチーズ、みそ、漬け物、納豆も食物繊維と相まって腸内細菌叢を整え、排便機能を改善させます。また腸管の運動には自室神経の働きが重要です。特に副交感神経優位(リラックスした状態)で腸管運動は促進されます。そのためには、ストレスをためないことや規則正しい生活習慣(特に朝食をとること)が大切です。便意があるときに我慢するのもよくないです。また、アルコールやたばこ、カフェイン、香辛料など、腸に刺激の強いものは摂りすぎないようにしましょう。

(2021年10月8日 サンデーうべ・ワイド掲載)

てらい内科クリニック院長
寺井 佳子先生
てらい内科クリニック寺井先生

■プロフィル

専門:内科一般、消化器科
資格:日本内科学会認定内科医、日本消化器学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医

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