宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

最近、少しですが下着に血液が付いていて、排尿後に拭いた紙にも付きます。痛みはありませんが、気になります。どうしてでしょうか?(76歳、女性)

A.

 まず、どこからの出血か?を確認しなければいけません。肛門や膣からなら痔核や直腸癌、子宮癌も考えられます。尿道からの出血の場合、いろいろ考えられますが、一般的に、良く見かけるものに尿道カルンクルがあります。中高年の女性の尿道の出口にできる痔や血豆の様なポリープ状の腫物で、慢性の炎症によりできやすいといわれています。小さいと痛みや症状はありませんが、感染などで炎症をおこすと大きくなり出血をします。これは、良性で、通常は薬などで改善します。小さくならなかったり、出血が止まりにくく繰り返す時には、手術で焼灼したり切除をします。なお、尿道脱、尿道癌、膀胱癌、外陰癌でも同様な症状になります。特に注意しなくてはならないのは癌で、尿道癌や膀胱癌であれば、早めに診断して、本格的に治療をする必要があります。まず、泌尿器科で診察して出血部位を確認し、尿道からでなく、肛門や膣・外陰部からの出血の場合は、外科や婦人科を紹介してもらいましょう。

(2021年1月16日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

いそやま泌尿器科クリニック院長
磯山 理一郎先生
いそやま泌尿器科クリニック 磯山先生

■プロフィル

昭和56年:熊本大学医学部卒業 山口大学医学部講師(泌尿器科)
平成2~12年:宇部興産中央病院(泌尿器科部長)
医学博士 日本泌尿器科学会専門医 日本透析医学会専門医

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