宇部市・山陽小野田市・山口市の「このまち医療ガイド」

医療相談Q&A こんな症状には
どうすればいい?

先生に教えて欲しい様々な質問に、わたしたちの街のドクターが答えます!
サンデー各紙で掲載中の「医療相談Q&A」「先生おしえて!!」の記事を掲載しています。
※このコーナーは、よくある病気や症状について専門医の立場から解説していただくもので、読者からの相談を受けて回答するものではありません。

Q.

パニック障害とはどんな病気ですか?気の持ちようの問題でしょうか?

A.

 パニック障害とは突然に強い不安を伴って、動悸、息切れ(時に過呼吸発作も)、生汗などの症状(パニック発作といいます)が出現する病気です。パニック発作が繰り返されると、発作に襲われることに対する不安(予期不安)や、発作が出現する状況への恐怖感(広場恐怖)から生活に支障をきたすようになります。治療が不十分なまま病状が進行すると、うつ状態になるおそれもあります。
 パニック発作による不安や恐怖はかなり強いものですが、「パニック」という一般にも使われる言葉のせいか、「考えすぎ」「心配性」といったような性格や気の持ちようの問題であるという誤解を受けがちです。しかしパニック障害についての最新の研究では、脳の働きが普段のときとは変化しているため、医学的に治療が必要な状態であることがわかっています。脳の中でも大脳、大脳辺縁系、青斑核・視床下部といった部位で誤作動や過活動が起こり発作が出現するといわれていますが、その原因についてはまだよくわかっていません。誰もがなりうる病気で、100人に1人程度の割合で発病するともいわれています。
 パニック発作は、治療により改善が期待できる病気です。お悩みのかたは是非医師にご相談ください。

(2020年10月10日 サンデー宇部・山陽小野田掲載)

わたなべクリニック院長
渡邊 俊介先生
わたなべクリニック渡邊先生

■プロフィル

平成19年 山口大学医学部卒業 日本精神神経学会専門医・指導医 日本うつ病学会員 日本児童青年精神医学会員

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